5月26日 完成披露舞台挨拶レポート
5月26日(月)に丸の内ピカデリーにて、映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』完成披露舞台挨拶が実施されました。劇場版での主人公・いたずら好きなドラゴンの少女カンナ役を務めた長縄まりあ、メイドと酒が生きがいのお疲れ会社員・小林さん役の田村睦心、死の淵から救われて小林さんと同居することになったドラゴン・トール役の桑原由気が登場。更に、テレビアニメ2期「小林さんちのメイドラゴンS」に引き続き、本作でも監督を務めた石原立也監督を加えた4名が、和気藹々としたトークを繰り広げました。


2021年に放送された第2期より、約4年ぶりとなった新作が劇場版として公開されることとなり、封切りまで約1ヶ月に迫りました。会場に集まった観客に、一足早く本編をご覧いただいた率直な心境を問われると、長縄は「カンナの気持ちはわかっているはずなのに、完成した作品を観るとまた違った感じ方になりました。それに、地上波と比較していつにも増して小林とトール様かっこよくなかったですか!?」と目を輝かせながら熱い想いを語りました。「トールが本当に強いんですよね。トールが来てくれたら大丈夫だという安心感が、小林さんの気持ちからも伝わってくるんです」と田村も頷きます。各々が映画の感想を口にする中で、「メイドラゴン愛をたくさん語りたい」と意気込んでいた桑原が、田村から完成した本編をまだ観られていないことを暴露される場面も。「私よりも会場に集まった皆さんの方が先に観たことになるんですよね!私も話はもちろん知っていますし、絵の状態も出来上がっていたので。私だって観ましたもん!」と反論すると、長縄と田村から完成した映画と比べると桑原が観た内容では「話にならない!」と攻防が繰り広げられました。京都から舞台挨拶に駆けつけた石原監督は、「(長縄さんの言う通り)個人的に小林さんのとあるシーンでは、BGMや効果音がつくとかなりかっこよく仕上がっているところがお気に入りです。映画館で観るエンターテイメントとして楽しんでいただけると思います。実は先程4DXでのチェックもしてきたので、そちらも楽しみにしていてください」と想いを語りました。


4人のトークも盛り上がったところで、エンディング主題歌を担当している小林幸子がサプライズで呼び込まれると、予想もしなかった登場に会場は一気に大盛り上がり。
更に、ゲスト声優も務めていたことが明かされると、会場のあちこちから「え!?」と驚きの声と共に歓声が上がっていました。
小林が演じるフェリキタスは、キムンカムイの軍勢のドラゴンで、少数部隊を率いるリーダー格。「小林さちこのメイドラゴン」という2度のエイプリルフール企画を経て、満を持して本作への参加が実現となった小林。ノリノリで企画に参加したという小林は、「たまにクオリティの高さから、エイプリルフールではなく本当の企画だと思われることも多いんです」と意外なエピソードを披露すると、田村は「幸子さんに乗っ取られたのかと思いました!」と軽快なトークで会場を沸かせました。
主題歌と声優での参加には、「甥っ子と姪っ子がメイドラゴンの大ファンで大好きだから、自慢の叔母になりました。今回このような素敵なお話をいただけて、すごく嬉しく思っています」と喜びを語りました。小林がドラゴン役はどのように演技するのかと石原監督に質問すると「ラスボスでお願いします」と予想外な回答が飛び出してきたそう。小林は「ラスボスを長いことやっていますけど、吠えたりしませんからね!」と会場の笑いを誘いながら、「芸歴61年目でありとあらゆる仕事をしてきましたが、ドラゴン役は初めてです」。石原監督は、「演技のお仕事も普段行っていらっしゃるとお伺いしていたので、正直心配は全然なかったんです!」と3度目の正直となった小林の起用に自信を覗かせました。田村も小林の演技に「音響監督からもすごく幸子さんの演技が上手だったと噂で聞いていて、本編を拝見して本当に歌だけではなくてお芝居も素晴らしかったです」と驚きを見せました。


そして、エンディング主題歌に込めた想いを小林が「人生に当たり前はないんです。今回こうやって舞台挨拶に集まって私たちが出会えたこと、人と人との巡り合わせは奇跡なんだということを受け取って貰えると嬉しいです」と真摯に伝え、自ら劇場に集まった大勢のファンの前で歌声を披露することに。エンディング主題歌の「僕たちの日々」は、普遍的な愛をテーマに人と人の関係性、その出会いの奇跡を表現されています。優しさと切なさが共存した歌詞が、本作で描かれたカンナとキムンカムイとの親子の愛、人間とドラゴンたちの絆を彷彿とさせます。
力強い中にも優しく語りかけるように歌い上げられ、会場は小林の音楽の魔法によって、その歌声に酔いしれていました。客席で観客と共に、主題歌を楽しんだ桑原も「このあと写真撮影なのに泣いちゃいました」と目を潤ませながら再び登壇。そして「劇場版では色々な登場人物の正義が交わっているのですが、この物語の色々なシーンが一気に駆け巡ってきて、幸子さんの歌声がじんわり染みてきました」と感極まった様子でコメント。長縄も「カンナのことについて考えていた日々を思い出しました。父と娘の関係はもちろんのこと、カンナを守ろうとする小林の愛や、色々な方向からの絆がぎゅっと詰まっている映画だなと思っていたら私も泣きそうになってしまって。泣いてしまうとこの後に何も話せなくなってしまうので、必死に涙を抑えています!」。観客からも、この日一番の大きな拍手が送られました。
そして、マスコミ用のフォトセッション時には、カンナの巨大な着ぐるみが登場。ゆっくりと動くカンナに対して、「がんばれー!」と声援が送られながらステージに向かい、一生懸命手を振る姿に登壇者や会場に集まったファンも自然と笑顔が溢れます。
続いて、舞台挨拶の実施が発表されました。公開日前日の6月26日(木)に映画公開前夜祭が開催され、登壇ゲストとして長縄、桑原、小林、石原監督の4名が登壇することが決定しました。
更に、公開日6月27日(金)をはじめ、6月28日(土)、6月29日(日)にも舞台挨拶の開催が決まり、なんと4日連続の舞台挨拶が実施されます。6月29日(日)の舞台挨拶では、総勢11名のゲストが登壇し、全国の劇場でのライブビューイングも決定。日本中のファンの皆さんと共に、4年ぶりの新作を公開前夜から4日間盛り上げていきます!
最後に長縄が「アフレコ前には練習してきているのですが、ラストのセリフは家で泣いてしまって全然できなかったんです。当日は果たして上手く言えるのかと不安な気持ちで現場に向かったのですが、キムンカムイ役の立木さんの声も相まって、色々な気持ちと共に声を乗せるができました。長年カンナと一緒に歩んできていることもあって父娘の独特な関係性や小林家の絆も含めて、観客の皆さん自身にも重ねて観ることができる作品だと思います。ぜひ何度も物語を一緒に楽しんでいただけると嬉しいです」と観客に呼びかけました。
降壇する際に、「僕たちの日々」のイントロが流れてくると、最後までユーモアを忘れない小林が再び歌い始める一幕も。イベントは熱気とあたたかな余韻を残したまま締めくくられました。
